三木露風研究書

三鷹で暮らした「赤とんぼ」の詩人 三木露風の歩み 編集・発行 三鷹市芸術文化振興財団 
                          発売 はる書房 2007年11月  84ページ 1000円+税 
    三鷹市所蔵の露風の資料をもとに、三鷹での露風の生活と文学的営為を解明することを目的にして編     集されている。「三鷹で暮らした三木露風」(品川洋子) 未刊の三木露風自選集復元 日記でたどる自    然との共生 など新資料を豊富に紹介している。
    また、第1部では、書き下ろしの露風論を掲載している。 
    『白き手の猟人』の世界─「恋の囀り」を読む(佐藤伸宏)  一期一会の露風先生(長倉久子)
    赤とんぼの故郷─「追憶」の情景を辿って(和田典子)    増殖する「赤とんぼ」(福嶋朝治)
    「誠」の詩人、三木露風(福嶋朝治)
    なお、折込で 露風の散策路マップin三鷹 を付している。

三木露風研究 安部宙之介著  日本図書センター刊 1983年
『詩帖』1961年1月号から3年5ヶ月にわたって連載された露風の伝記が中心。ほかに「処女詩集『夏姫』について、『露風の「赤とんぼ」の母』、「三木露風氏との交流」(服部嘉香)、など。筆者は、1927年12月に露風を訪問して以来、生涯にわたって露風を敬愛した忠実な門弟であった。
伝記は「できるだけ私自身の意見を出さないようにして、資料によって語ろうと務めた」と記しているように、可能な限りの資料を収集し、時には露風自身の『輪が歩める道』の記述の誤りを正しながら、実証性を重視した内容になっている。「露風の研究書として独特な地位を占め、露風を愛好し、或はその研究に志すものが必見の書」(森田実歳)である。
続・三木露風研究 安部宙之介著  日本図書センター刊 1983年
前著は露風の生前に書かれ、本書は死後に書かれた。「折に触れて何かと書いて来たが、散逸をおそれてここに一冊とした」と刊行目的を記している。主に『詩帖』に発表した論文を集成したものである。単に文献のみならず、関係者への問い合わせなどして、正確を期している。前作と同様、露風研究の基本的資料の宝庫である。
三木露風研究─象徴と宗教─ 森田実歳著 明治書院刊 1999年
600ページに及ぶ大著。長年の露風研究の成果である。ブレイクやマラルメの影響関係など比較文学的な考察や芥川と露風の関係、また露風の童謡など多彩な論及が含まれている。中でも副題にあるように露風の象徴主義や露風の信仰生活については詳細な研究が見られる。また、年譜は、雑誌・新聞などを調査したり、新発見の露風のノート類まで精査して、膨大な分量になっている。特に従来なおざりになっていた三鷹時代の露風の詩業についての記述が注目される。
若き日の三木露風 家森長治郎著 和泉書院刊 2000年
1968年から1996年まで、大学の紀要をはじめ諸誌に発表した論文の集成。前半は、生誕から美濃新聞記者時代(明治39<1906>年)までの露風を研究対象にしている。後半は童謡関係の研究が中心。ともに、露風ゆかりの人々からの聞き書き、書簡の調査を基にして、露風の青春までの実像を描こうとしている。
三木露風 赤とんぼの情景 和田典子著 神戸新聞総合出版センター刊 1999年
故郷龍野の情景が及ぼした作品への影響について、新しく発見された詩稿ノートや手帳などを手がかりにして解読した書。童謡と詩を並列して読み解くことで、難解な露風の作品をやさしく解説することを試みた斬新な試みが光っている。筆者の柔軟な感性がほとばしっていて、読んでいて楽しくなる。
三木露風─人と作品─ 福嶋朝治著 教育出版センター刊 1985年
明治40(1907)年から大正2(1913)年、露風が詩人的出発を覚悟した年から『白き手の猟人』刊行までの彼の生活と試作品を対象にして、露風の詩のありかを追究した書。現在絶版。筆者の手元に20冊ほど残部がある。2000円。「三木露風の生命主義」を含む『近代詩の思想』も若干残部がある。2000円。
三木露風 作家の自伝62 中島洋一編・解説 日本図書センター刊 1998年 
露風の自伝『我が歩める道』を収める。全集以外に唯一露風の伝記が読める本。

 
三木露風の世界 『解釈と鑑賞』特集 至文堂刊 2003年11月
思想と詩作品、短歌、童謡、小説、戯曲、随筆、紀行文などそれこそ露風の全領域について、諸氏が持論を展開している、露風文学の入門書。文献目録、全国規模の文学散歩を付す。


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